定義がフォーマットな人の話

昔(1990年くらい)、ベーマガを読んでいたころ、「ゼビウスの移植作」を紙面で見かけた。私にはゼビウスの移植作は、細部が異なりすぎて全くゼビウスに見えなかった。例えばTiny xeviousは写真で見る限りは全くゼビウスに見えなかった*1
しかし、実際に動作しているTiny Xeviousを見てしまえば、一目瞭然でこれはゼビウスなのだ。ゼビウスとはゼビウス体験を提供するゲームのことであって、ゼビウスの見た目を忠実にトレースするものではないのだ。


当社には、社内向けの製品価格サイトというのがある。20年物のサイトなのだけれど、これがHTML直書きのサイトで、職人技でメンテナンスしている状態だった。検索性も悪けりゃ、メンテナンス性も悪い。なんとかシステム化しなきゃならないと思っていたけれど、社内で使用しているグループウェアに統合できそうだったので、統合した。グループウェアが持っている検索機能や情報のソート機能を追加し、以前のフォーマットもできるだけ残したので、使いやすくなったという声が圧倒的に多いのだけれど、「以前のサイトの方が使いやすい」というユーザもそこそこいるらしいことが分かった。



多分、個人的な物事の定義として、見た目に大きく依存する人っていうのが結構多いのではないだろうか。多分その人の定義を更新するには体験が必要であって、動画というのは追体験に非常に向いているメディアなのだろう。



導入から半年以上経って、以前のサイトが良かったという声は聞こえなくなった。慣れたのか、理解したのか、諦めたのかはわからないけれど、こんな小さな変更であっても受け入れに抵抗がある人はいるので、情報システム部の人は大変なのだろう。ただ、変更を動画で説明することで、抵抗は少しでも減らせるのではないかと思ったりした。