電子書籍の同一性問題

月マガをかれこれ28年ほど読んでいる。
28年前に読み始めたきっかけは、「修羅の門」だ。「修羅の門」は少年マンガの傑作で、虎砲、無空波、龍破などワクワクするような必殺技が現れ、当時少年だった我々を狂喜させたものだ。また、28年前くらいは月マガの最盛期で、掲載されているマンガがすべて面白いという黄金期を迎えつつあったので、そこで月マガ購入を習慣づけられた読者が多く発生した。

長年月マガを支えていたのは、修羅の門の作者「川原正敏」氏である。氏の作品はどれも面白く、修羅の門修羅の刻海皇紀修羅の門月マガに連続で掲載され続けた。月マガを購入することは川原正敏氏の作品を読むためという人も多かっただろう。

月マガといえば分厚さだ。分厚さは少年の心を引き付ける。しかしさすがにあの分厚い月マガを読み続けるにはおっさんになりすぎたので、電子書籍がないか探してみたところ、Amazon kindle電子書籍版が出版されていることが分かった。早速購入しようとして、妙なことに気が付いた。★が一つしかついていないのだ。理由を見てみたところ驚愕した。川原正敏氏の作品が掲載されていないのだ。

最も価値があると思われるコンテンツが掲載されていない。読者は「コンテンツがほしい」のであって、形状は二の次だろう。正直なところ、電子版の存在意義がわからない。

おそらく、川原正敏氏が電子化を許していないのだろう。講談社としては電子化を推し進めたいが、川原正敏氏の意向に逆らうことは月マガにとって自殺行為だから、こんな奇妙な形態の出版がされているのだろう。まあ、なんて読者側を向いていないことだろう。

しかし、疑問点がある。コミックは電子書籍化されているのだ。コミック電子化は許すけど、雑誌だけ電子化を許さない作者なんているのか?おそらくは、雑誌電子化の時に、編集部とトラブって、電子化を拒否してるんじゃないだろうか。もしかすると、電子化の宣伝のため、第一話を無料配布した事がトラブルの元かもしれない。

理由はさておき、何よりも問題なのは、最も大きいコンテンツが抜け、それによって雑誌よりも90ページも減ページされた電子書籍が、同じ値段で販売されていることだろう。調べたところ、週マガも「はじめの一歩」が掲載されていないにも関わらず、価格は同じようだ。講談社なめとんのか。

※ちなみに電子版と雑誌は表紙が違います。
http://www.amazon.co.jp/dp/B01CFJBIYK/
http://www.amazon.co.jp/dp/B01BCF8D8M/

参考リンク
・事情を言わない(言えない)講談社
https://twitter.com/getsumaga/status/564708109474463744魚拓
修羅の門が掲載されていると記載されているのに実際掲載されていない無償版(電子お試し版と思われる)
http://www.amazon.co.jp/dp/B00RFKGDQI/
・電子お試し版の初期画像(リンク先の月マガ表紙がamazon掲載のものとさし変わっている)
http://comic-sp.kodansha.co.jp/digimaga/画像のみ魚拓