書籍の電子化には明らかなメリットがあるが、現在はデメリットがメリットを上回っているため普及していない。
主なメリットは
- 保管/移動に必要な物理的空間や重量が少ない。
- 検索性が高い。
主なデメリットは
- ユーザが電子リーダに慣れていない。
- 電子リーダが物理的に重いか大きい。
などがある。だが、デメリットは時間が解決してくれるため、そのうち電子書籍が台頭するのは明らかだ。
さて、電子書籍には上に記載していない非常に大きなメリットがひとつある。それは、物語の進行度を隠せるということだ。本はその物理的形状から、現在全体のどの程度まで話が進んでいるのかわかってしまう。完結する物語において、残り10ページで物語が半分しか進んでいないことはありえない*1。これは書籍が持つあまり気づかれていないデメリットだ。読者が物語に対して残りページで身構えてしまうのだ。
要は「残りページ」を意識させたくない性質の物語を作者が書きたい場合、現在の紙メディアでは不可能だ。それが電子メディアであれば可能となる。この制約から解き放たれたことによって、新たな形の名作が生まれるかもしれないと漠然と思った。
*1:総ページ数が20ページ以下で無い限り