岩にぶつからないように小石にぶつけておく

システム系の研修の講師を行っていると、つい小石を取り除きたくなる。小石というのは「ここで躓くであろうことが想像できる箇所」だ。たとえばSQLServerにおいて、「文字列連結演算子」と「暗黙の型変換」のコンビネーションが繰り広げる、仕様通りだけどバグの温床となるような挙動について、あらかじめ説明して、回避させたくなったりする。

でも多分、研修としては「あえて小石に強制的にぶつけちゃう」というのがおそらくは望ましいのだろう。

人は、考えたことの周辺はよく覚えているが、教わったことはそれほど覚えないものだ。注意点として教えてしまうと、考えることの機会を奪ってしまって、それ故に研修後に小石に躓いてしまい、結果として岩までのコンボを味わってしまうことがあるんじゃないかな、と思った。