1%のデメリットが国を滅ぼす

感染したら9割の患者が死亡するウィルスが存在するとする。そのウィルスに今後3か月以内に総人口の5割が罹患することが確実な状況とする。
接種することで100人中80人が確実にそのウィルスに感染しなくなり、1人が確実に死にいたるワクチンが存在するとして、果たしてそのワクチンを全国民に接種すべきか。
総人口が1億人として、全国民に全く接種しなければ総人口の4割5分(4千5百万人)は死亡する。逆に接種すれば2千万人程度の死亡が見込まれる。どう考えても全国民が即時に接種すべきだろう。論理的には。
だが、実際にこのようなことが実施された場合、死亡した1%の遺族が納得できるのかといえば、感情的に納得はできないであろう。よって訴訟となったりする。
オーダーが10の4乗程異なるが、インフルエンザワクチンの接種については、上記のようなことが現実に発生している。
新種のインフルエンザに対するプレパンデミックワクチンを国民全員に接種した場合、間違いなく数百人から数千人は接種の副作用によって死亡するだろう。それを薬害として追求するマスコミが現れることもほぼ間違いない。
1%のデメリットが人間というフォーマットに共通に存在する感情を揺るがした場合、そのデメリットは増幅され膨大なコストを生む。生まれたコストに対しては、残念ながらなす術が無い。よって、コストを生まない方法をあらかじめ考えておくべきである。
方法はひとつしかない。メリットとデメリットをあらかじめ提示し、全国民にアナウンスをすること。そして、そのタイムリミットは数ヶ月しかないかもしれない。
まあ、何が言いたいのかといえば、プレパンデミックワクチンが一般に対して接種可能になったら、即時で接種しにいこうと個人的に思ったということだ。