卑近な例を持って一般化すること

4/25のエントリで景気は本当によくなったのかとか書いているが、中々馬鹿っぽい。個人の感想は全体を類推する上で非常に微弱な要素でしかない。たとえば、広告に掲載される体験談は、ある程度事実であるが効能・効果を約束するものではない。

経験則が全てに勝る、直感が全てに勝るという考えは、ある場合にしか当てはまらない。問題は、その「ある場合」をすべてと勘違いしてしまうことがよく発生することだ。なぜそんなことが起こるのか。

自分の思う方向に事実を捻じ曲げるという傾向は、多かれ少なかれ誰にでもあることだろう。それを許さないのが科学である。

小〜高まで科学(数学含む)を勉強する意味は、(科学知識を必要とする職業に就かない)大多数の人にとって、自分の認識している事実は真実とは限らないということを学ぶことであろう。目に見えることは事実であるが、真実ではない。