血液型と空気

真実を話すことは、コミュニケーションにとって重要なことだが、「真実」に相対するものが「共有された幻想」の場合、真実を話すこと自体が敬遠される。この現象が、空気を読むという行為だ。
以下「共有された幻想」のサンプルとして血液型性格診断を例にとる。
血液型と性格の間に関係があるという証拠は見つかっていないし、統計的な有意差があったこともない。にもかかわらず、血液型性格診断は正しい、または大体において当てはまっていると信じている人は多い。
このような人々と会話をする場合、血液型別性格診断そのものに対する懐疑を呈すると、それは「空気を読まない行為」とみなされる。
よって血液型別性格診断が世にはびこっている原因は、「日本人は空気を読まないことを敬遠する傾向がある」からだと推測される。真実よりも共同体が優先されるのだ。