抽象化力

知識はそれだけでは何の意味も無い。知識が現実そのままである事は少ない。

技術者とは、知識を現実に近似させていく人のことだろう。知識を現実に近似させていくこととは、即ち、現実を抽象化していく作業だ。

EXCELなどの表計算ソフトを使用することは良くあることだ。恐ろしいのは、表計算ソフトをただの表エディタとして使用している人が多いことだ。中にはEXCELで作成した表を見ながら電卓で検算している人までいる。このような人は、抽象化力が無い。

およそ表計算ソフトを知る人で表計算ソフトが便利であることを知らない人はいない。どのように便利なのかも想像はつくだろう。「実装」を知っていて「現実」を知っている人が、現実を便利にできるその機能を使わないのはなぜかといえば、抽象化力がないから。現実をどのように実装に結びつけるのかわからないか、考えたくないのだ。

抽象化力を身につけよう。先ずは実装と現実を知ることだ。そして試行してみる。抽象化力はある程度までなら誰にでも育てることができる。