乙一という作家がいる。
この人が書くものはジャンル分けができない。
ミステリのようであり、SFのようであり、ファンタジーのようであり
ホラーのようであり、その実どれでもない。
天才漫画家は漫画を変える。
手塚治虫が劇的に漫画を変えたように、
鳥山明、大友克洋が漫画の絵を変えたように。
なぜか。
それは歴史が浅いジャンルなのと無関係ではない。
未完成なジャンルは一人の天才によって劇的に変わってしまう。
小説は表現方法として、天才に変えられるほど未完成ではない。
乙一は天才だと思うが、小説を変えないだろう。
星新一がそうだったように。