安全性と価格はトレードオフなわけで

100円ショップの台頭、ユニクロドンキホーテの台頭等によって、安かろう悪かろうというのが、既に一般的な認識ではなくなっている今日において、その「悪かろう部分」が安全性に対して押し付けられているのは、明らかであるように思われる。
食の安全性の問題とは、安全性に見合うだけのコストを誰も吸収しないから発生するのであって、その原因は消費者にあるという意見もあるが、そもそもそのコストを誰かが吸収したとして、現在の生活が成り立つかといえば、決してそんなことはない。
安全性を高めるために、たとえば食費に対して5%の上乗せで劇的な効果が生み出せるかといえば、それはありえず、せいぜい5%以下の安全性が高められるだけだ。
安全性を高めるためのコストは、技術的革新がない限り等比級数的に増大するものである。逆に言えば、安全性を低く抑えることによってコストは激減する。競争が原理原則の資本主義社会の仕組みを変えない限り、全ての日本人が食に対して安全ということは既にありえなくなっているんじゃないか。だからといって資本主義社会を捨て去るのは不可能だろうし、やるべきとも思えない。