ルールを変更する場合、コストを考慮するべき

ルールの変更やルールの追加を行う場合に、そのルールに従うためのコストを度外視されることが多い。
まあ、法律が変わればその法律に従うしかないので、ルールに従うためのコストなんてものをあらかじめ考慮なんてしようがないが、それでも法律の変更があったような場合は「ルールによって発生する新たなコスト」を最小限にするために、仕組みを変更しようとする力が働くことが多い。
問題は組織の中で数十人以下に適用されるような、小規模のルール変更があった場合だ。このルール変更によって、一件当たり5分の処理時間増加があったとしよう。その処理が年間1000件程度存在したら、5000分のコスト増加となる。年間83H程度のコスト増加だ。たいしたことがないと思われるかもしれない。しかし、正社員のコストから考えると「100〜200万円のコスト増」となって無視できなくなる。また、たいしたことがない変更は、たいしたことがないだけに数多く発生する。やがて、たいしたことがないルール変更の累積によって本来の仕事の時間が圧迫されていってしまうのだ。
ルールの変更は、それがどれだけ小さいものであっても「変更が与える工数への影響」を考えるべきである。工数の増加を仕組みで吸収してしまうか。増加した分の工数を別の仕事の工数減で補わなくてはならない。ということをマネージャは考えるべきだろう。

まあ、下士官が独自の工夫で工数増加をキャンセルしたりするんだけど、そんな下士官がいることを期待しちゃいけない。