イントラ内wikiを立ち上げる

どうにも、うちの会社のうちの部署は情報のありかの整理が全くできていない。
ある業務を実施するにあたって、その業務には複数の逐一変更される情報が存在したりするが、ありかをいちいち探さなければならない。手順書なるものも存在するが、手順書の該当箇所を見つけるよりは、情報のありかをおぼろげな記憶をたどって見つけるほうが早い。
この状態は、いわばダメ暗黙知の巣窟だ。うちの部署に入ってくる新しい人はまず、ダメ暗黙知の膨大さに驚かされる。
そこで、イントラ内wikiを立ち上げることにした。イントラ内wikiで情報のありかを「業務別」に整理する。具体的には「ファイルサーバ」「Notes」「イントラweb」「インターネット」に散らばっている情報の、リンクを業務別にひとまとめにする。
wikiであることのメリットは、

  1. Webブラウザを使用しているので、固有のアプリを各PCにインストールする必要がないこと。
  2. ブラウザであるので比較的情報にアクセスするまでの時間コストが低いこと。
  3. 情報のbroadcastが容易であること。
  4. 情報の修正が速やかに行き届くこと。
  5. 情報の修正を誤りに気付いた人ができること。
  6. 修正誤りを速やかに復元できること。

があげられる。
何を使おうかと思っていたがPukiWikiが簡単そうだ。イントラ内WebサーバにはすでにIISがインストールされ、Webアプリが実行されているので、IISを使用しようと思ったが、社内全体に影響を与えるWebアプリが動作していることもあり、部署内のみの情報と明示的に分けたかったため、Apacheをインストールし8080ポートで公開させることにする。

ApachePHPPukiwikiをDLし、イントラ内Webサーバにインストールした。まずApacheの設定から。8080ポートをapache用のポートにするように変更。これはhttpd.confのListenの値を変更するだけ。
Apacheを起動し、8080ポートにアクセスすると無事に立ち上がった(It Works!)ようだ。
次にApacheからPHPをロードする設定を行った(http://www.adminweb.jp/apache/php/index1.html)。単純にLoadModule行の最後に、apache用のPHPのDLL位置を記載するだけ。ただしWindowsはファイル名やディレクトリ名にスペースを使用することを許しているため、もしApachePHPディレクトリがProgram Filesのようなスペースを含んだディレクトリ以下にあるようなら、そのディレクトリは"(ダブルクオーテーション)で囲ってあげる必要があるので要注意。
またApacheはhtdocs以下を公開するような設定になっているが、今後増加することが見込まれるデータ領域をプログラム領域と同一にしておきたくないので、httpd.confのhtdocs行をコピー&コメントアウトし、データ用ドライブ/ディレクトリ(D:\Wiki)に変更した。社内全域に公開する情報ではないので、httpd.confにて固定のIPアドレス以外から接続できないようにdenyする。設定外のIPアドレスからアクセスし、無事接続できないことを確認した。
Pukiwikiを解凍したものを、D:\Wikiにコピーし、d:\Wiki\pukiwiki\というディレクトリ構成にする。apacheを停止、開始して

http://IPアドレス:8080/Pukiwiki/index.php

にアクセスしたところ、無事Pukiwikiが立ち上がった。なんだかんだで約3時間でWikiが立ち上がる。すばらしい。
あとは「notes://」へのリンクやファイルサーバ「file://」へのリンクが自動で認識されるようにmake_link.phpを修正し、さらにhttp://へのリンクはポップアップとしたかったので、a hrefの文字列を作成している箇所を見つけ、target=を追記してみたところ、無事にポップアップするようになった。あとはコンテンツを充実させるだけ。wikiこ細かいところを修正し、情報を整理して掲載するのに約5時間。

すばらしい。10年前に同じことをやろうと思ったら、ソフトウェア構築だけで少なくとも7桁の費用がかかっただろう。それが約8時間で出来上がってしまうんだから。