動画で撮影されたLED信号を見ると素数蝉を思い出す。

動画でしか見られない現象というものがある。

自動車のホイールの回転は、直接目で見る限りは逆回転に見えることはないけれど、動画撮影されたホイールの回転は逆回転に見えることがある。これは、動画が「秒間30コマ」もしくは「秒間60コマ」の静画の連続であるためと、ホイールが同じマークを回転配置させた見た目をしているからだ。マークの回転移動がコマ数に対して速すぎると、隣のマークがゆっくり逆回転したと誤判断してしまう。

まあ、それは置いておいて、ここ10年くらいで、信号機がどんどんLED化していったことと、車載カメラが常識化したことと、車載カメラ動画がYoutube公開されることが増えたことから、動画でみた信号が「高速点滅するように見える」ことが知られるようになった。実際LEDは交流電源では高速点滅しているのだけれど、人間の目で直接見る分には点滅が認識できない。しかし、「秒間30コマ」もしくは「秒間60コマ」の静画では連続したコマでLEDが消灯していることがあり、それによって点滅が誇張されてしまうのだ。

西日本と東日本は交流のサイクルが異なるので、同じカメラを用いても信号機の点滅速度は違って見えるのではないだろうか。

ということを考えたときに「素数蝉」の話を思い出した。「素数蝉」というのは、北米で蝉が大繁殖するサイクルは、なぜか素数年のことが多いという発見だ。13年サイクル、17年サイクルといったサイクルがあるらしい。これは「3年サイクル」「4年サイクル」で発生するような寄生虫に、できるだけ出会わないようになるから有利であるという説や、素数でないサイクルの蝉同士は大繁殖サイクルがかぶりやすいため、淘汰されていったという説があるようだ。

タイトルの「動画で撮影されたLED信号を見ると素数蝉を思い出す」だけれど、要は2つの異なるサイクルが出会うとき、もしくは出会わないときに発生する現象という共通点があるような気がするから。

まあ、それだけの話。大した話ではない。