システムダウンの地域特性

サーバ、PC、ルータなどの電子機器には弱点がある。データセンターと言う施設はその弱点をカバーするための施設なので、データセンター内のシステムが地域特性でダウンすることはない。しかし、それ以外の場所に置かれている機器については、地域特性の影響を受けることがある。


1、気温の地域特性
サーバやPCにとって熱は大敵だ。CPU、メモリ、HDDなど熱の影響を受ける部品は多い。しかし、熱ではなく、寒さが大敵な部品もある。電源とバッテリーだ。電源はコンデンサを積んでおり、コンデンサは寒さに極めて弱い。特に劣化したコンデンサは。北海道において、wolでPCが立ち上がらないという障害連絡があった。そのPCは事務所にあるのだが、空調を切って帰るようで、寒い日にはマイナス10度以下になることもあるようだ。PCやサーバの説明書には必ず、動作保証される気温が記載されている。


2、気温差の地域特性
サーバやPCの導入はもちろん夏だけではない。冬の導入には注意が必要で、それは外気温との差だ。サーバやPCは金属を多く含んでおり、起動していないサーバの金属部分は気温と同じ温度になる。冬の東北、北海道でサーバを室内に持ち込むと、外気で冷えたサーバが室内の空気に触れることで、間違いなく結露が発生する。通電していないサーバについては、水はほとんど影響を与えないが*1、結露したサーバが通電すると最悪ショートしてしまう。なので、冬季室内に持ち込んだ機器は必ずしばらく放置する必要がある。
PCやサーバの説明書には必ず「結露なきこと」と記載されている。


3、天候の地域特性
サーバやPCの大敵の一つに、超高電圧がある。
栃木県は雷が非常に多い土地で、コンセントやLANケーブルからの雷侵入によって、電子機器がよく壊れる。なので、雷サージが必須となる。


4、空気の地域特性1
大涌谷では電子機器が壊れまくるので、電子機器の保守サービスに加入できない(可能性が高い)。
何故なら腐食ガスの濃度が極めて高いからだ。おそらく大涌谷で腐食しない電子機器を製造するコストは、通常電子機器の製造コストの数十倍から数百倍になるだろう。なので、電子機器を置く部屋には「腐食性ガス除去装置」をつけておく必要があるが、このコストもそこそこなので、壊れたら買い替える方が安上がりなのかもしれない。もしも予備機を用意するのなら、真空パックしておくべきだろう。
詳しくは産業用情報処理・制御機器設置環境基準を見ると良い*2


5、空気の地域特性2
KIOSK的なお店というものが存在する。このお店は駅のホームにあるので、外気に直接触れる。「潮風を浴びるようなKIOSK」の電子機器は、非常にさびやすいので寿命が短くなり、ダウンの原因となってしまう。


6、「データセンターでないビル」のサーバルーム
HDDは振動や衝撃に弱い。データセンターはその辺をよく理解しているので、耐震・制震構造で、HDDにできるだけ影響がでない設計になっているが、一般のビルでは対人で障害が起こらないことを優先しているので、「震災で、特定ユーザのサーバフロアに納品したサーバだけ、HDDが壊れた」みたいなことが発生したりする。HDDを使用せず、SSDを使用すれば良い、、、、のだがそんな金払えるかっちゅう問題もあるのでなかなか難しい。

*1:昔、電子機器の工場で、マザーボードを水洗いしているのを見たことがあるw。お客様への納品機を水洗いする奴はいないだろうけど、開発用のサーバや実験機なら洗っても問題ないことは多いだろう。

*2:最新基準は有償なので、10年くらい前の基準へリンク