USBHDDが壊れたが、データは無事だった話

仮想化技術、特にx86amd64コンピューターの仮想化が発達して以降、システムを特定の状態で保存しておくことが非常に簡単になった。以前なら状態の数以上のハードディスクが必要だったが、今は状態の数と同数の、ファイルがあれば良いのだ。
基本的に、デモンストレーション用の状態は、数多く存在することがのぞましいので、だれもが仮想化を行い、特定状態をファイルとして保存するようになった。そこで、問題が発生した。ファイルの保存先は、当然ファイルサーバーであるので、ファイルサーバーの使用容量が激増したのだ。
状態を保存するファイルは「仮想ハードディスク」と呼ばれているが、この「仮想ハードディスク」は、通常5GBから数十GBであるから、簡単に数TBの容量を消費してしまう。これはエンタープライズなファイルサーバの価格に換算すると、100万円以上となる。
個人的には、CentOSか何かでファイルサーバを作ってもいいのだが、会社のセキュリティポリシーが許さないことと、管理できる人材の育成コストを考えるとそんなこともできない。
解決方法を考えた結果、仮想環境はUSBHDDで保存するという運用に落ち着いた。USBHDDは非常にコストが低い反面、信頼性に著しく欠ける。よって、RAID1があらかじめ構築されているUSBHDDを購入して、それを使うこととした。
そんな運用を始めたところ、隣の課も同じような運用を始め、結局のところ各課に1つずつRAID1のUSBHDDが存在するようになったのであった。
本日、隣の課で大きな音がして、何事かと思って見たところUSBHDDが落下していた。そのUSBHDDをPCに接続すると、案の定動作しない。分解させ、HDDを取り出してSATA-USBコンバータにて確認させたところ、1本は動作せず、もう一本は動作するが、ドライブを認識できないという状態であった。動作する側のHDDが読み込めないのは、RAIDを管理しているコントローラチップか、LinuxなどのOSに読み込ませれば解決すると思われたので、動作する側のHDDのみUSBHDD装置に接続させて再度PCに接続させたところ、無事データが読み出せた。
まあ、結論としては「USBHDDを落とすな」、「仕事用、保存用に使うのならRAID1を組んであるUSBHDDを買え」というところだろう。