OSイメージの展開概要

OSイメージを展開する場合、フェーズが3つに分かれていると個人的には思う。
1.イメージ化するOSの構築
2.OSイメージ化
3.展開
このうち、難しいのは1のイメージ化するOSの構築と2のOSイメージ化を行うための基盤作成だと思われる。

1.イメージ化するOSの構築
イメージ化するOSについては、2点難しいところがある。
1)ライセンスの扱い
元となるOSはボリュームライセンスで構築されている必要がある。たとえば市販のPCの場合、ほぼOEMライセンスで構築されているので、市販のPCのOSイメージを配布するためには、「ボリュームライセンスのメディアで再インストール」してからイメージ化する必要がある。

2)作成されたイメージの正当性の確認
特にノートPCにおいては、メーカ独自のドライバやアプリが必要な場合が多い。たとえば、ディスプレイ切り替えをfnキー+F?キーで行うような機能はOS標準のものではない。この場合、fnキー+F?キーでディスプレイ切り替えを実施するアプリケーションを、上記1)で実施した「ボリュームライセンスのメディアで再インストール」したOSに組み込まなければならない。ここが非常に厄介なところで、そのようなアプリ・ドライバがメーカによって配布されているとは限らないのだ。
また、提供されていても、「正しく適用できたこと」を確認するための方法が存在しない。テスト項目をもれないように自分で考えて、自分で確認するしか方法はないのだ。

2.OSイメージ化
OSのイメージ化については、その手法として何を選択するのか、考える必要がある。この際、「3.展開」で発生する手間を考慮しなければならない、
たとえば、配布サーバを用いる場合はMSのツールでwimを作成し、すべて実装すべきであろうし、HDD物理コピーを行うのであればそのままでよい。HDDイメージをファイルとして保存するなら、MSのdismを用いるためにAIKを使うとか、WindowsPEを用いるとか、WindowsPEに市販のGHOSTを入れて実施するのか、方法はいろいろ考えられるが、選定するのはなかなか難しい。予算とスキルと経験に左右される。

3.展開
展開は非常に簡単だ。ここは、上記2で選定した方法を用いて採取したデータを展開するだけなので、手順書さえ作ってしまえば、特に何の問題もなく実施可能となる。しかし、上記1,2は「展開の手間」を意識して設計する必要がある。