現場の知恵

最近システム保守現場に行って思ったのは、誤操作を防ぐための知恵を集めたら面白いんじゃないかということだ。今どきのシステム保守は、Windowsであればまず間違いなく、RDPを使用している。しかし保守回線の品質が低い場合、並行してVNCが用いられることもある。いずれにしてもGUIの反応が悪いことがあり、その時に思わぬ誤操作を行ってしまうことがある。
誤操作の中で最悪なのが、誤ってドラッグアンドドロップしてしまうということだ。エクスプローラ上で、マウスカーソルでクリックによってフォルダを選択したつもりが、MOUSEUPイベントのリモート先OSへの通知が、遅延するかロスし、そのあと発生したはずのMOUSEMOVEが先に通知されてしまうことで、意図しないドラッグが発生してしまって、フォルダの移動が発生してしまう。これは再描画のタイミングによっては気が付かず、システムの致命的な障害のトリガになってしまうことがある。
これを防ぐための知恵は「エクスプローラはキーボードで操作すること」だ。
まあ、根本的な解決方法は、「システムに影響を与えるような、ディレクトリ構造の変更を監視し通知する仕組み」または「権限によってディレクトリ構造の変更を行えなくする」ことだろう。しかし、保守しているシステムすべてに、そのような仕組みが入ることは難しいだろうから、「エクスプローラはキーボードで操作すること」が最も汎用性が高く確実な対処方法だ。
他にも「誤クリックを防ぐために、マウスの先にものを置かない」や、「ログオンスクリプトで、そのコンピュータのユーザ名と役割を通知するように仕組んで、誤った機器に対しての操作を防ぐ」や、「リモートセッションの切断をログオフと勘違いしないように、ログオフを共通の動作とするため、保守用アカウントのデスクトップにログオフ用のバッチを置く」というのはよく考えられた対応方法だと思う。
こういう知恵を共有することによって、ミスが減って、システム屋さんは幸せになれるんじゃないだろうか。