IPアドレスで捕まる奴はバカだという前提

インターネットを少なからず利用した犯罪行為が明るみにでた場合、IPアドレスがわかればすべて解決するという論調が目につくが、IPアドレスによって解決するような犯罪行為の捜査は、単純に「その犯罪行為の主体が無知であったという偶然」に支えられている。
当然のことながら、無知で無い犯罪者が犯罪行為を行えば、仮にIPアドレスが残っていたとしても、その犯人を探すことは困難を極める。
なぜなら、IPアドレスを用いて「どこで使われたのか」を追いかけることは、ログが残っている限りにおいて可能であるが、「誰が使ったのか」を追いかけることは、その場所にいた人物が誰なのかを隠すことを意図的に行えば非常に困難になるからだ。
具体的には「無線LANタダ乗り」という行為を行えば、最も簡単に身元を隠すことが可能になるだろう。また、プリペイド支払いで無線LANスポットを使用する方法も考えられる。この2つの行為は非常に敷居が低いため、すでに悪用されているだろう。無線というものは「目に見えない」ので、使用していることを目撃されにくい。
いままで捕まったパターンは以下
・身元を隠そうとしていない
MACアドレス変更不可の機器をもって、その時その場所にいたことが、写真や聞き込みなどで判明した

本質的にIPアドレスというものは「本気で身元を隠そうとしている犯人」の犯罪捜査にあまり役に立たない。現状、捜査に使えているのは「無知」によるところが大きい。そして「無知」の時代は間もなく終わるだろう。捜査については「犯罪行為の受益者から的を絞っていく方法」しか使えなくなっていくだろう。