それにしてもすごい

発売日に購入した、貴志祐介氏の「悪の教典」をやっと読んだ。というか、この厚さは読み始めるのに覚悟がいるレベルなので、ある程度長い休日を必要とした*1
傑作。
銀と金という、マンガ史に残る傑作漫画がある。主人公の一人銀二が、もう一人の主人公である鉄雄にこんなことをいうシーンがある。
「殺す人間の・・・・・・世界は広がらない・・・・・・必ず閉じていく・・・・・・!」
まさに殺す人間の世界が閉じていく様を描写した小説。

全然関係ないが昔、永野のりこ氏がコレクターという映画を見たときに、同級生と視点が異なって*2、自分が異物であることに気づいたとかいうエピソードを書いていたことを思い出したりした。この本は加害者視点をかなり強制される。そして、その視点を自らの視点として受け入れられるかによって評価はわかれるだろう*3

*1:厚さの割にはそれほど読む時間はかからなかった。上下巻あわせて4H程度

*2:同級生は被害者視点、永野のりこは加害者視点

*3:受け入れられた場合は評価が高いものと思われる