昔、Netscape社が全盛期だった頃、「インターネットのことはインターネットに聞け」という格言のようなものを目にすることがあった。Googleの出現によって、「インターネットのことはインターネットに聞け」という概念はいまや常識になりすぎて、誰も意識していない。
さて、現在GoogleでMDISを検索すると、検索結果の1ページ目にMDISに対しての非常にネガティブな情報が記載されたページが多く表示される。これは自らが行ってきたことの結果であって、まったく同情の余地は無い。また、検索結果にネガティブな情報が掲載されていたからといって、官公庁に対しての三菱というブランドが揺らぐわけではない。
過去に三菱のブランドが地に落ちたのは「三菱自動車による闇改修」の時だろう。これはマスコミによる報道の大きさによって、三菱自動車の行ったことが知れ渡ったからに他ならない。今回MDISが行ったことが日本の隅々まで知れ渡ることはありえないし、ましてやMDISをSIerとする権限を持った人に知れわたることは無い。
だが問題が露呈してから一応の解決を見るまでの時間の長さが「問題を知っている技術者」を増やし、また「問題を理解する技術者」を増やした。日本のWEBの中枢を担っている技術者には「MDISの技術レベルの異常な低さ*1」と「問題が起こったときの対応レベルの低さ*2」がよく理解された。
今後MDISという看板だけで今回の顛末を知るWEB系技術者には(少なくとも心の中で)なめられるだろうし、Google検索結果をもってMDISの問題を知る技術者は増えていくだろう。なぜなら、WEB系技術者は条件反射的に「インターネットのことはインターネットに聞く」からだ。PageRankの仕組み上、トップページからそう簡単にネガティブな情報が消えることは無いだろう。ネガティブな情報を一括で削除する唯一の方法は「社名の変更」のみだ。
というようなことを「はてなブックマーク」をみてなんとなく思ったのであった。
全然関係ないが、3層アーキテクチャを理解するための教材として、この説明は非常に秀逸だと思った。是非新入社員教育などで活用すべきだろう。
*1:たとえば「cookieを食わない要求」をトリガとして発生する問題へのrobots.txtによる対応
*2:平均的アプリケーションサーバ系技術者であれば5分で理解できる問題を不具合であると認識するまでに数ヶ月かけている点など