星新一 ショートショート スペシャル

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「地球から来た男」は、星新一氏のショートショートの中で私が最も初期に読んだ作品だ。思い入れが大きすぎて映像化は楽しみでありながら非常に不安だった。しかし心配するまでもなく、今までの映像化の中で圧倒的にすばらしかった。傑作。まさか、「地球から来た男」で涙ぐむとは思わなかった。物語を改変しているわけでも、誤った解釈をしているわけでもないのに、なぜこんなに受ける印象が違うんだ。これが歳をとったと言うことか。他の作品と異なり、時間を8分程度使用していた。是非この長さで、この手法で「処刑」を映像化して欲しい。
見逃した人は必ずBS2で見て欲しい。もしくはBS2が映る人にビデオ撮ってもらってみてくれ。
「はじまり」は「のっぺらぼう」を一ひねりしているということに今日気づいた。最後の大量のUFOが蛇足。
「海」は、かなり後期の作品だ。若かりし頃は不満のあった作品だが、今見ると非常に味がある。映像化もいい感じだ。トゥーンシェーディングか。カエルの為に鐘は鳴る
「ボッコちゃん」は絶世の美女であるところを全く表現できておらず、不満が残る内容。ただし、グロテスクさを回避するためにはあの手法しかないのかもしれない。
「買収に応じます」は星新一氏の挿絵を含めた世界観を忠実に再現した内容。宇宙船シリカ的だ。
「宣伝の時代」と「愛の鍵」の未来予測の正確さは異常。
生活維持省」は美しい。ディストピアもの。定年退食。

全然関係ないが、私は「星新一 ショートショート1001」という3万円もする星新一氏のショートショート全集を持っている。姉も持っている。バカ姉弟。いつでも全てのショートショートが読める環境だが、問題が一つある。全集は鈍器以外の何者でもないことだ。全て電子文書化してくれないだろうか。10万までなら出す!

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