なぜUIが劣化するのか

最近某飲食店によく行くのだけれど、異常なまでに券売機のUI設計が悪い。そのため、券売機前の滞在時間が、慣れた人でも1分以上、慣れていない人だと5分程度かかってている。

券売機の苦手なジャンルとして、クーポン、ポイントカード、複数の支払いメディアがある。しかし顧客の囲い込み戦略として有効であるため、大手のチェーン店ではどれも採用していることが多い。すべて対応しているこの券売機は非常に高機能と言える。

支払いメディアは以下の4つに大別される。
1)現金
2)クレジットカード
3)非接触ICカード
4)QRコード決済

これらすべてに対応するためには「自動釣銭機」「ICチップ読み取り」「非接触IC読み取り」「光学読み取り」がすべて可能な必要がある。

この高機能さにかかるイニシャルコストが大きいので、UI開発にお金が割けないのかもしれない。とはいえ、早さ安さが売りの飲食店の券売機前で、1人の客が3分とか時間かけているのは異常だ。

まず、UI動作がもっさりしていてイライラする。いちいち待たされるのだ。いまどきなんでこんなに動作が遅いのだ。メモリ使わないで全部上位問い合わせしてんのか?

商品カテゴリを選ばせるのだけれど、牛めし、丼、定食、ライスセット、カレーカテゴリ等がある。ここで戸惑うのは定食とライスセットの違いだ。俺には定食とライスセットの違いがわからない*1。前提条件として「客に覚えることを強制するUI」がゴミであるってことは、プロ経営者が社長やってた頃のマクドナルドで実証済みだろう。丼と牛めしの違いもよくわからないけど、まあ、牛めしメインの飲食店なので、「牛めしかそれ以外か」という観点で分けているのだろう。
まあ、ここまではまだいい。メニューが多いから、カテゴリに分けたいのもわかるし、よく注文されるカテゴリを特別扱いしたいのもわかる。顧客にわからない社内用語を使ってそれに気づかないのもしょうがない。

最悪なのは「1ページに商品が6個までしか出ず、ページ切り替えして探す必要があるが、ページ切り替えの必要性に気づけない」ということだ。なぜならページ切り替えが、右下の小さいボタン「次へ」ボタン押下だから。
いやいや「次へ」じゃねーよ。この「次へ」は何の「次へ」なんだよ。

次へ

もう少し大きなボタンで、「次のメニュー」とか表示させておけば気づけるけど。
せめてこうじゃないの?

まだわかる

まあ、何とか頼みたいものを見つけて、「カートに保存」ボタンを押下する。飲食店でカートて。カートにできたての定食入れるやついるのかね。WEBでお買い物慣れている人はカートという表現に慣れているのだから、それはそれでしょうがないのかもしれないが、せめて注文リストじゃないの?WEBでお買い物していない人を切り捨てるのも戦略の一つだろうけれど。

やっと支払いに遷移して、dポイントカードの所有を問われたあと、精算メディアを聞かれてはじめて気づくのだ。「こっちの券売機現金使えない、、、」。券売機が2つあるのだけれど、多分自動釣銭機が高額なので、「現金使える」券売機と「現金使えない」券売機が存在するのだ。いやいや、現金使えませんってでっかく書いとけよ。もう一方の券売機見ると、お年寄りが悪戦苦闘しており、結構時間がかかりそうだ。まあ、クレカで支払えばいいかと思って、ICクレカをさすと、ピピっと音がする。音がしたので抜くと、「クレカがささりましたよ」という認識音のようで、エラーする。いや、認識で音鳴らすんじゃなくて、決済終わったら音鳴らせよ。

券売機はタッチパネルじゃなくて物理ボタンに限る。どうしてもタッチパネル使いたいのであれば、社外の老若男女つれてきてUI/UXテスト行えよ、、、と強く思ったのであった。

レジならこのUIでも問題ない*2が、券売機はレジではない。レジであってもこのUXはだめだ。レスポンスが遅すぎる。

いろんな券売機見てきたけど、ここまで高機能な券売機は他にない。でもここまで使いづらい券売機も他にないなと思ったのであった。

最後に。ここまで高機能な券売機作っておきながら、「つゆだく」は店員に申し出ろって何考えてんだ?

*1:サラダがついてないとか味噌汁がついていないということなんだろう多分

*2:繰り返し何千回も使用する人なら、容易に慣れることができるUIだから