新入社員の為のメールの読み方・書き方講座

中堅以上の企業ではたいていの場合、ある程度の研修期間があるので、今すぐに困るような事にはならないが、会社員として最低限知っておくべきメールの読み方がある。
去年の新人にコレを教えるときに苦労したので、メールをどう読むべきか、どう書くべきかをまとめておく。ただし、以下内容は仕事に関して相互情報伝達の手段としてのメールの読み方、書き方であって、メーリングリストや飲み会のメールなどは含まない。

1.受け取ったメールの行き先を確認する。私は行き先の内、何に属しているのか
メールの行き先には、宛先、CC、BCCがある。当然のことだが宛先に入っている人が、「そのメールに対してアクションを起こして欲しい人」だ。「そのようなメールを出したことを伝えたい人」、「メールの内容を知っておいて欲しい人」、「宛先のフォローを期待する人」に対してはCCでメールが送られる。BCCはそのメール自体にかかわる必要がないが、情報だけは渡したい場合に用いる場合が多い。

  • あて先:アクションを起こすべき人
  • CC:アクションを起こすべき人をフォローすべき人、または差出人をフォローすべき人
  • BCC:アクションを起こすべきでない人

以上が行き先の原則だ。受け取ったメールは、自分がどの行き先に属しているのか確認することから始まる。

BCCで来たメールには返答してもいいが転送してはいけない
BCCメールはアクションを起こすべきでない人に送られる。場合によっては、そのメールがBCCで送られていることを差出人が知られたくないかもしれない。基本的にBCCメールは転送しない。したい場合は差出人の許可を必ず取ること。

2.受け取ったメールの本文を見る。
あて先の例外規定は本文に記載されている
全社員にアクションを起こしてもらいたいような場合、あて先に数百件から数千件のアドレスが入ってしまうのを嫌って、アクションを起こすべき人にあえてBCCを用いたりする場合がある。そのような場合は、本文にその旨記載してある。また、おまけでCCの人に軽いアクションを行ってもらいたい場合、本文にその旨記載してあるので、あて先でないから何もしなくてもいいとは限らない。

そのメールはどこで終わっているのか
一見終わっていそうにみえて、実はその先があるような場合がある。

  • なぜか必ず行間を空ける人
  • 段落終わりに行間を無駄にたくさん入れる人
  • シグネチャをつける人・つけない人
  • 文書の途中に添付ファイルをつける人・最後につける人

といったパターンによって、終了位置がわからない場合がある。かならずスクロールして最後がどこで終わっているか確認すること。

3.本文を読む。
タイトルは数回のやり取りの結果、劣化している場合があるため、参考にとどめて本文をしっかり読む。5W1Hを意識して読む。ほぼ間違いなく5W1Hがそろっていることは無いので、アクションに必要なWorHが欠けているなら、まず上司に相談する。上司に相談するのは、欠けているWorHは自分が知らないだけで、極めて常識的な内容の場合があるからだ。相談の結果不明であるなら、「先方に確認する旨を上司に伝えた上で」先方に確認する。

4.本文を書く。5W1Hを意識して書く。上司や先輩のメールをテンプレートにしてもよいが、テンプレートを使用した場合、必ず音読する。テンプレートを使用した場合、かなりの確率でまったく無関係な文言や、絶対に存在してはいけない文字列(客先名、システム名、個人名、商品名など)が紛れ込んでいるので注意する。

5.タイトルを書く。タイトルには明文化されていないローカルルールが存在する場合がある。同じ部署のメールをチェックし、タイトルにローカルルールがありそうか確認する。タイトルは数度のやり取りによって劣化する傾向があるので、本文と趣旨があっているか必ず確認する。

6.本文を見直す。
日付と曜日があっているか確認する。ありえない日付(6/31等)を指定していないか確認する。「明日」や「明後日」を使用する場合、「明日(5/13)」、「明後日(5/14)」のように日付を記載する。数詞を使用する場合、桁を必ず確認する。
不安であったら上司にチェックしてもらう。

7.行き先を書く。
メールは行き先を書かなければ、送信されない。メール作成中の誤送信を防ぐため、行き先は最後に記載する。上司を必ずCCに入れる。

8.行き先を確認する。
最後に行き先をもう一度確認する。
bccに自分のメールアドレスを入れておけば、自社のメールサーバが動作しているのか目安になる。

9.メールを送信する。
送信が完了したら5分程度待って、Mailer Daemonさんからの返答が無いことを確認する。また、緊急のメールについては「電話で宛先の人にメールを送った旨を伝えること」が重要だ。メールが確実に届くことは誰も保証してくれないから。