ATMのユーザビリティの悪いところ

銀行ATMのユーザビリティは昔に比べればかなり上がっていると思われる。しかし、かなりの人数が潜在的に不便と感じているにもかかわらず、全く気付かれていない、非常にユーザビリティの悪いところがある。
銀行カードが「キャッシュカード専門」のカードならいいのだが「クレジット機能」を持っているカードをATMに入れると「キャッシュカード」と「クレジットカード」のどちらを使うのか聞いてくる。しかし、キャッシュカードとクレジットカードどちらを使うのかという問いは、実は一般人には結構難しい問いかけだ。
一般人は「キャッシュカード」と「クレジットカード」について名前で用途を憶えていない。用途で名前を覚えているのだ。銀行口座のカードはキャッシュカードで、支払いに使うのがクレジットカード。なぜなら、クレジットもキャッシュも母国語ではないから。

ATMについては「キャッシュカード(XX銀行口座)」「クレジットカード(カード会社の名前)」と表記すれば、誰も混乱しない。にもかかわらず、こんな案を銀行が思いつかないのは、「キャッシュカード」と「クレジットカード」は銀行にとってあまりにもありふれた用語で、「使用者が混乱することを全く想像できない」からだろう。