何の感想なんだ?←秘密です

10/3に読了。
読んでいる間は、非常に楽しめた。
個人的には欠点と感じる点も多い。この欠点と感じる部分は発表場所の制約によるところが大きいと思うが。

まず、主人公の過去にまったく意味がない。おそらくは動機付けのための設定だと思うが、その設定が効果的に作用しているとはいえない。最終的に回収されるが、その回収方法はあまりにもとってつけたような内容で、浅い。

すべての登場人物の印象がフラット。というより魅力的なキャラクターが皆無。恩田陸の小説のキャラクター(実在感がないという意味)から、個性を剥ぎ取ったような印象を受けた。類型を恐れすぎなのではないか。類型だからといっても良いものは良いし、悪いものは悪いのだ。

伏線を張りすぎ。かつ伏線回収しすぎ。すべての伏線を回収する必要はない。想像の余地を読者に残しておいたほうがいいのではないだろうか。

後半の話の流れが急。特に結末付近は「何とか過不足なく原稿に記載しました」という感がぬぐえない。締め切りのきつさを読者に感じさせてはならない。

全体的に見て、良くも悪くも論文的であった。ほとんど無駄がない。そして無駄がないことが最大の欠点。

今後に期待。