幸之助氏

亡き後の松下は、法令は遵守するが倫理観は欠如しているという、奇妙な体質となっている。それが最も端的に表れたのが、JustSystemに対する所謂「アイコン訴訟」である。

松下の市場に対する洞察力は非常に優れている。「diga」、「LUMIX」、「Let's Note」の成功は、技術力はともかく(他社に比べて著しく性能が高いわけではない)、何が市場に受け入れられるのかをきわめて妥当に判断した結果と考えられる。

市場に対する洞察力は優れているのに、なぜこんな愚かな行為を行うのか?おそらくマーケティングに関する部署と法務に関する部署が連携していないのだ。両部署が独自に利益のみを追求した結果、このようなちぐはぐな行動を起こしているのだろう。

結局何が言いたいのかといえば、「松下バ〜カ、バ〜カ」であり、「こんな特許認められるかボケ」であり、「松下製品はできるだけ買わない」である。この係争によって確実に松下は潜在的なファンを減らした。「法令を遵守しない」企業は顕在ユーザを減らす。「倫理観が欠如している」企業は潜在ユーザを減らす。この問題の影響は、目に見えないがやがてじわじわと効いてくるであろう。とか思ったりしたりしたりした。