旧き良き時代

「旧き良き時代」などというものは本当に存在するのか?
勿論存在する。ただし幻想として。
映画クレヨンしんちゃん「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」という映画史に残る傑作がある。この映画には幻想としての「旧き良き時代」が余すところなくちりばめられている。しかし、映画の中の世界に住みたいかと問われれば多くの人が「否」と答えるのではないか?「旧き良き時代」にはインターネットも携帯電話もCDもシリコンオーディオも確実に翌日届く宅急便も駅前留学もプレステもASUKULもAMAZONも無いのだ。旧き時代はあるが。良き時代など無いのだ。あるとすれば「良かったと錯覚できる時代」だけである。

そういう意味において、批評家が述べたがる「昔は良かった」的発言は、全く的を外していと漠然と思ったりした。