色は匂へと

昔やったテーブルゲームにこんなものがあった。

色と文字が一致していないカードが数十枚あり、文字側を次々に呼んで行くというゲームだ。例えば、青い色で「赤」という文字が書いてあるカードが出てきたら「あか」と呼ばなければならない。もちろん、色側を答えるゲームに変更するのも可能で、結構頭が混乱してなかなか楽しいカードゲームであった。



会社のPCに暗号化ソフトがインストールされている。

この暗号化ソフトの影響で、DVDを用いたWindows10のアップデートが失敗してしまうことがわかっている。もちろん暗号化ソフト側で対応方法は示されており、いままでそれで問題なくうまくいってきた。
まず、覚えておいて欲しいのは、暗号化ソフトが入っているということは「セキュリティ的に安全」であって、
「アップデート作業的には危険」なのだ。



最近、社内の情報システム部が出してくれたWindows10のアップデート手順書を読んでいると、暗号化ソフトの有無を「青文字」と「赤文字」で区別していた。
一般的に青は安全色、赤は危険色なので、手順書で「青」「赤」を使用するのはとてもよいことである。ちなみに「青文字」がセキュリティソフト有り、「赤文字」ががセキュリティソフトなしだったそうな。情報システムの立場としては理解できなくもない。

しかし、暗号化ソフトの安全性は「立場が変われば変わる」のだ。手順書をよく作るメンバーは情報システムが作成した手順書の赤文字を見た時点で「危険な作業だから赤文字」と判断し「暗号化ソフト入りは赤」と判断したらしい。よって、赤文字側のリンクをたどってしまい、インストールが失敗したということだった。

色の情報は形を凌駕することがある。そして、それは情報を付加する側ではなかなかコントロールできないのかもしれないということを思ったのであった。