ドライブの物理コピーはどうやるのか

ドライブのインターフェースが死ぬほど紛らわしくなっている。

昔、ドライブのインターフェースといえば、SCSIATAくらいしかなかった。*1
今は似たようなコネクタ形状なのにも関わらず、全く異なるドライブインターフェースが多く存在しているので、HDDやSSDの物理コピーをやりたいだけなのに、何を選択すればよいのか全く分からないことが多い。以下に「3タイプ」のドライブのコネクタ形状に着目した、コピー方法を記載しようと思う。

(1)ATAを継ぐもの

20年以上昔から、PC用のHDDはATAという規格にのっとったものだった。このATA規格の形状として、古くはIDEという規格があったが、今、多分IDEは滅びたものと思われる。現状ATA系統で生き延びている形状は以下の3種類となる。

  1. SATA
  2. SATA
  3. m.2(SATA)

これらの3種類については、基本的に「形状さえ合わせちゃえばお互いにコピーできることが多い」。SATAーmSATA変換アダプタや、SATA-m.2(SATA)変換コネクタが販売されている。よって、「SATAを物理コピーできる機器」と変換コネクタさえ用意しておけば*2お互いに物理コピーが可能と思われる。

(2)SCSIを継ぐもの

20年以上昔から、サーバ用のHDDはSCSIという規格にのっとったものだった。現在生き延びているSCSIのコネクタ形状は

  1. SAS

という形状になる*3SASSATAと同一形状であるが、「SASに対応した物理コピー機器」を用意しないと、コピーができない。

(3)PCIを継ぐもの

PCIは外部機器との高速通信のための規格で、直接ストレージを読み書きするものではなかった(PCISATAで読み書きする)。しかし、PCI系の高速性をそのままストレージの読み書きに用いることができるPCI-eという規格と、それに対応したコネクタ形状として

  1. m.2(NVMe)

という形状がある。超高速で超発熱。もちろんm.2(NVMe)に対応したコピー機器でないとコピーはできない。

準備すべきもの

以上のことから、現時点で保守会社などで、ストレージの物理コピーを行うために準備しておくものは

  1. SATAコピー機
  2. SATA-mSATA変換器
  3. SATA-m.2(SATA)変換器
  4. SASコピー機
  5. m.2(MVMe)コピー機

となる。

入手方法

  1. SATAコピー機器は非常に多く市場に出回っているので、割愛する。
  2. SATA-mSATA変換器は、基本的にはSATAコピー機器メーカーに聞けば純正のものが手に入る。安いものであれば、この辺(KRHK-MSATA/S7)買っておけばいいのではないか。
  3. SATA-m.2(SATA)変換器も、基本的にはSATAコピー機器メーカーに聞けば純正のものが手に入る。安いものであれば、この辺(crin25m2)買っておけばいいのではないか。
  4. SASコピー機器は安価*4なものであればこの辺(kd2535sas)、高価なものになるとこの辺(DemiYG2022+オプション)になると思われる。
  5. m.2(MVMe)コピー機器は安価なものであればこの辺(crcbm2nv2u32cp)、高価なものであれば、この辺(DemiYG2022+オプション)になると思われる。

高価なコピーマシンと安価なコピーマシンの違いは、「エラー発生時のスキップ機能」やHDDのデータ読み取り方式の豊富さだったりするので、コピーが目的だったら安価な機器、コピーによって何かをリカバリすること*5が目的だったら、高価な機器を購入すればよい。

最後に

m.2(NVMe)は死ぬほど高熱になるので、コピーの際はやけどしないように注意してください。

*1:まあ、現在でも論理的にはこの2つのインターフェースとPCIしかないといえるのだけれども

*2:もちろん動作テストは必要だけれど

*3:iSCSIという規格もあるが、コネクタ形状を有しない論理的な規格なので除外

*4:とはいっても10万円くらいはするが

*5:例えばRAID5のHDD2本障害を無理やり復旧したい等