そうはいってもUI設計は難しい

新入社員だった遠い昔に、新入社員研修の最後としてシステム構築を行ったことがある。
大したシステムではないけれど、必要なプログラムが10本程度あって、そのプログラミングを8割くらい担当することになった。しかし1人で8割は圧倒的に時間が足りず、1割だけ他の担当者に作業を移管した。その時にほかの担当者が作成したプログラムを見て愕然とした。1項目の入力について、常に1件の確認メッセージボックスが現れるのだ。

UI設計は「わかりやすさ」を重視しすぎてはいけない。わかりやすさを重視しすぎると、使用回数が多い人に大きなストレスを与えてしまうから。


会社近くの飲食店にいわゆる「券売機」が設置されている。券売機はタッチパネルになっており、お金を入れて欲しいメニューをタッチすれば、食券発行候補となって、発行してもよければ「発行」ボタンを押下すればよい。このタッチパネルのUIがなかなかアレな設計になっており、「商品情報」を囲った枠を押下しても反応しない。商品情報内の「価格」を囲った枠(以下画像のオレンジ部分)を押下すると反応してくれる。

タッチパネルのUI

タッチパネルUIは「タッチパネル用の設計」にしなければならない。現状のボタンをただタッチパネルにしてしまうと、消費者の学習を裏切ってしまう。


昔、切符といえば「お金入れて」「価格ボタン」押下という2アクションで発行できた。逆に言えば、2アクションで完結できない切符は窓口で購入する。JR東海のタッチパネル券売機を初めて使用して、新幹線のチケットを購入しようとしたとき驚愕した。「自由席」の新幹線チケットを購入したいのに、FROM駅選択、TO駅選択、チケットの種類選択、日付選択しないと購入できないのだ。10秒で買えていた切符が、1分以上かかるようになってしまった。

理想は「知っていればめちゃくちゃ早く確実に操作できる」、「知らなければ時間がかかるけど確実に操作できる」を両立すること。まあ、それを両立できるほどの開発期間なんて取れないのが現状なんだろうけれど。