古いPCをもらった話

お世話になった人にパソコンの相談をもらった。パソコンは超初心者。
インターネットの怪しいウィルス感染広告に騙されてしまってその業者にいろいろ処置されてしまったが、
・このパソコンは大丈夫か
・この後どうすればいいのか
という相談であった。

調査した結果、まあパソコン関係ではいろんなトラップがあることが分かったので、記録として残そうと思う。

0.PCが死ぬほどなんてもんじゃないほど遅い

作業をしようとしても、ある作業を起動してから実際に作業できるまで10分以上かかっていた。起動経過時間をみると221時間というものすごい時間。これが原因かなと思っていたが、調査を進めて行くと原因ではないことがわかった。ひょっとして高速スタートアップ有効にしておくと、シャットダウンしても経過時間が更新されないのかもしれない。

1.そもそもPCの性能が低い

見せてもらったPCはdynabookT45/bwであった。まあ、購入当時としてはそれほど悪い選択肢ではなかったと思うが、Celeron 3855Uでメモリ4GBは今の世の中若干つらい。しかし何よりもつらいのが、ストレージがHDDなことであった。HDDはランダムアクセスに弱いので、ウィルス対策ソフトと相性が悪い*1

2.ウィルス対策ソフト

PCにはウィルスバスターが入っていた。これが原因で遅いのかな、、、とか思っていると、さらに「360 Total Security」というセキュリティソフトらしきソフトがインストールされていた。
HDD+2重セキュリティソフトは、確かに地獄の組み合わせだ。何はともあれ、その業者がインストールしたであろう「360 Total Security」をアンインストールすることとした。苦節2時間、「360 Total Security」のアンインストールに伴って、PCは「死ぬほどなんてもんじゃないほど遅い」PCから「死ぬほど遅い」PCに昇格した。

3.恐怖のTeam Viewer

謎の業者が「360 Total Security」をインストールした日に、ほかのソフトがインストールされていないか確認したところ、なんとTeamViewerがインストールされていた。TeamViewerはリモートアクセスツールで、うまく使えば非常に便利なツールであるが、怪しい業者がインストールしたのであれば、間違いなくPC内部の情報を取得しようとしている。これをすぐにアンインストールした。

4.WIndowsUpdate地獄

2重セキュリティソフト+HDDによって、全く動作していなかったPCが少しは動作するようになった際に、WindowsUpdate地獄が発生した。まあ、とはいえWIndowsUpdateには罪はないので、受け入れて終わるのをひたすら待った。

ということで、やっとPCが動作するようになったが、それでも遅いことには変わらない。期限切れのウィルスバスターをアンインストールし、HDDをSSDに換装すれば、このPCでもそこそこ動作するくらいまでは想像できたが、相談者は、「このPCはもう使いたくない」「買い換えたい」とのことだったので、最寄りの家電販売店でるBICカメラに行く。
ASUSのPC(https://www.asus.com/jp/Laptops/ASUS-VivoBook-15-X512DA/)が比較的安価で、性能もまともであったので、それを購入して、データを移行した。無線LAN化したいとのことだったので、鉄板のNECアクセステクニカ製の無線LANルータを購入し、LANケーブルをつなげなくても家の中のどこでもインターネット接続可能な環境とした。

5.新PCのセットアップ

新PCをセットアップ開始したところ、最近のWindowsPCは「なにがなんでもマイクロソフトアカウント」と結びつけようとすることが判明した。MSハゲろマジでハゲろ。取り急ぎ(多分今後もサポートが必要なことを鑑みて)私のMSアカウントでセットアップし、後からMSじゃないアカウントを追加して管理者権限をつけることにした。
MSじゃないアカウントを追加しようとしたところ、MSアカウントを作れ作れと超うるさい。MSハゲろマジでハゲろ。
無線LANをセットアップし、超快適なインターネット環境が構築完了した。

6.Windowsのトラップ初期設定を解除

Windows10は悪くないOSだが、「高速スタートアップ」だけはマジでクソなので、これをキャンセルした。MSハゲ(以下略)。高速スタートアップは、起動時間の若干の向上と引き換えに、システム管理者のストレスを増大させる機能といっても過言ではない。*2

7.サインアウトショートカット

ユーザの切り替えでサインアウトしてもらいたいが、サインアウトは結構操作のハードルが高い。デスクトップにログオフバッチを置いておくと、ユーザを切り替えるという概念を教える際に有効なので、ログオフバッチを作成したが、Windows10のホームエディションにはlogoffコマンドが無かったのでshutdown /lで代替。

なんだかんだ6時間くらいの作業時間で、無事移行が完了したのでまあよかったんじゃないだろうか。古いPCは捨てるとのことだったのだが、非常に状態が良くかつSSD化でよみがえるのが目に見えていたので、もらって帰ることにした。
帰宅後、取り急ぎウィルスバスターをアンインストールしたところ「死ぬほど遅い」PCは「遅い」PCへの昇格を果たしたので、HDDをSSDに換装してメモリ増設すれば少し遊べるPCになることだろう。

*1:厳密にはウィルス対策ソフトによるウィルスチェック中、ほかのソフトの動作が激重になる

*2:この機能が原因でトラブると、原因の推定が非常に難しくなる。というより、シャットダウンのスリーピングモードがs4で再起動がs5とか直観殺しも甚だしい