丁寧な対応が企業を滅ぼすような気がする

今朝、NECガラケーN-02Cを操作していたところ、ブックマークが使えなくなっていることに気がついた。ブックマークを開こうとしてもまったく開かない。電源OFF/ONをやってみても現象はかわらなかったので、ブックマークのデータがぐずっているのだと思い、とりあえずデータ全バックアップ⇒バックアップ戻しを行った。するとバックアップ戻しは失敗した。
まあ、ブックマークが使えないということは、手間がかかるだけでそれほど致命的でもない。まあ、そのうちdocomoショップにでもいくか、とか思っていたところトラブル対応依頼の電話がかかってきた。しかし、そのとき違和感を感じた。
「電話番号がそのまま表示されている?」
まあ、トラブルの電話に対応し、何気なく電話の履歴を見ると「電話番号から氏名への名前解決が行われていない」。要は履歴に掲載されているのが、氏名ではなく電話番号だったのだ、
そこで、ケータイの電話帳を確認すると、「なんということでしょう(棒読み)」電話帳がクリアされているではないか。
あわてて、メール等のバックアップ対象データを確認すると無事だった。おそらくこういうことだろう。

ブックマークの保存領域が物理的もしくは論理的に壊れた
↓
全データのバックアップを行った(ブックマークは保存されたのか不明)
↓
全データのバックアップの復元を選択
↓
電話帳クリア
↓
ブックマーククリア失敗
↓
エラーで終了

全データバックアップの復元は、全データのクリア⇒全データ復元実行の順で実行されるんだろう。全データのクリアはデータ種別にシリアルに実行される。ところが1番目の電話帳クリアは成功したが、2番目のブックマークデータクリアが失敗したため、そのままエラー終了とした。普通に考えれば全体としてのROLLBACKが行われるべきだが、設計上ROLLBACKまで考慮していなかったか、一つ一つのデータクリア処理はトランザクション処理だが、データ復元全体としてトランザクションでなかったということだろう。
全体のバックアップから、個別に復元できないのか確認してみたが、復元はできないようだった。docomoで直してもらうしかない。

話はいったん変わって、別件で宅急便をセブンイレブンに出しにいく。
宅急便の伝票をあらかじめ記入しておいたので、荷物を店員に預ける。するといきなり、何も見ずに「1270円です」といわれた。まあダンボールがヤマト純正でサイズが書いてあって、衣類なので重さ上限を突破することはなく、さらに関東⇒関東の荷物だったので、いきなり金額がわかったのだろうが、荷物を量るという行為が行われる前に金額を提示されると、なんとなく落ち着かない。しかし、あっという間に荷物の受付は終わって、時間的には過去最速で荷物が送れたのであった。

話は戻って、ケータイの修理のためdocomoにいく。
ブックマークを強制的にクリアする手段がなければ、不具合の確認に非常に時間がかかった後、データの確認を行って、最終的に修理だろうなと思っていたが、ほぼ予想通り推移した。結局1時間程度かかって、不具合確認(ブックマーク一覧が表示されない)、同型へのバックアップデータ復元(OK)、復元されたデータの確認(ブックマーク以外はOK)、修理受付まで到達。しかし、最後に不具合機の初期化を行って、バックアップを戻したところ、なんと無事復旧した。なるほど、やっぱりブックマークデータかファイルシステムが壊れていたんだろう。ここにたどり着くまでなんと時間のかかったことか。
docomoの店員の応対は非常に親切で、実際にケータイが直ったので大変満足した。が、docomoにとっては大損失だったであろうことが想像される。対応してくれた方が正社員か派遣社員かわからないが、人件費は1hあたり6000円は下らないだろう。つまり「一人のユーザがブックマークを使えない」ごときの対応に6000円も費やしてしまったということだ。

まあ、docomo程の企業となれば、事例は共有されるだろうから、今後同様の現象が発生した場合に対応時間がかからなくなるので、それはそれでいいのかもしれないが。

セブンイレブンの対応は、非常に危ういと感じてしまう対応だが、成功すれば最適解だ。docomoの対応は、危うさがひとかけらもない。社員教育の徹底が透けて見える。しかし危うさが無い故に膨大な時間を消費する。リスクが時間と相殺されているのだ。時間はお金なので、リスクがお金と変換されているともいえる。どちらがいいともいえないが、コストの競争をやったらdocomoは確実に負けるだろう。そしてdocomoの危うさが、過剰サービス品質という点で日本企業の危うさと同じように見える。

おそらく、日本企業が生き残る道は、過剰品質から生まれるブランドしかないんじゃないだろうかとか思ったりした。