(公務員の仕事の効率化は不可能なほど)難しい

私は流通系システム系ソフト系保守系技術屋をやっている。また一時期開発屋もやっていたので、自部署の仕事で効率がわるい(というよりめんどくさい)仕事については、出来るだけ簡易化するようにしている。いわば部署内システムのユーザ兼シスアド兼SE兼開発というようなことをやっている。
その経験からいえば、ExcelVBAによる2時間の開発時間で300時間の作業軽減なんてことは、珍しくもなんともない。具体的な内容は避けるが、たとえば年間発生する数万ページの資料作成において、資料作成の本質(原稿作成、精査、校正等)部分においてシステムで対応できる部分はそれほど存在しない。しかし本質以外の部分(たとえば装飾とか目次作成)については、作業量を軽減するようなネタは幾らでも転がっている。
本質以外の作業をやっている時間は短ければ短いほど良い。誰もが「こんな誰でもできる作業は少しの工夫で圧倒的に効率化できる」と感じていながら、その「少しの工夫」を行うことができないため、本質以外の部分での作業を否応なしに行っている。その最たる職業が「公務員」だ。
公務員の仕事は「本質の仕事」よりも「仕事のプロセスチェックと記録」が多い。「仕事のプロセスチェックと記録」は非常に効率化が行いやすい分野であるが、効率化を行う方法がわからないことと、効率化を提言する仕組みが存在しないため、一切効率化が行われない。
仮に効率化を外注するとしよう。公務員は法律の変化にもっとも影響を受ける職業の一つだ。法律が変わったら即その法律に対応しなければならない。しかし、外注化した効率化の仕組みは法律が変わったからといってそう簡単に変えられない。法律の変更を見込んで予算化することが難しいからだ。
今50万円の投資を行えば、明らかに1000万円以上の効率化が可能であるとしよう。そして1年後に投資を行っても効率化効果は0であるとしよう。この50万円の投資は行えない。予算化されていないから。
ということで、公務員仕事を効率化するのは非常にむずかしい。個人的には「公務員としてのSE」を市町村レベルで一人ずつ雇って、開発もそいつに全部やらせるだけで、劇的に効率が改善すると思うが、それをやってしまうと「余剰人員」が大量に発生してしまうため、「公務員としてのSE」は実現したとしても仕事をさせてもらえないだろう。
ということで、公務員に効率を求めるのは難しい。公務員制度に効率化を求めるのはひょっとしたら可能かもしれない(効率化?%を義務化して、その%に応じた人数を削減していくとか)。