PB戦略において最も重要なのはコンプライアンス

大手流通傘下のプライベートブランド(PB)がものすごい勢いで成長している。
このPBという戦略は店舗数の増加が頭打ちになった流通において、成長の維持が見込める優秀な戦略だ。既に食品ではかなりのブランドがPBに置き換わりつつある。普段私が購入する製品としてはペットボトルのお茶や、濃縮還元100%ジュースなどがあげられる。

この戦略において最も重要なのは「法令順守」である。

私は生物学についてまったくの門外漢であるが、想像するに生物において「性別」が存在することに意味があるとするならば、それは多様性を確保できるという点に集約できるのではないか。遺伝子が強制的に混じることによって、多様性が発生することは、急激な環境変化への対応として優秀だろう。単一遺伝子の生物は、環境の変化によって滅亡する。

私は医学についてもまったくの門外漢であるが、食事において安全性を確保するために最も簡単な方法は「特定の食品にこだわらない」ことだろう。特定の食品にこだわるということは、その食品が持っている危険性*1を無視できるレベルから無視できないレベルに引き上げる。

話は戻って、なぜPBには法令順守が最も重要か。それは特定のPB製品に問題が発生すると、すべての同一PB製品が同様な問題を疑われてしまうからだ。そしてPBが受けた傷は、流通にそのままダメージとして降りかかってくる。特にPBに流通と同じ名称を採用していたら致命的だ。経営が立ちいかなくなる。

ということで、製造に手を伸ばすなら、大手流通はコンプライアンスにもう少し力を入れた方がいいんじゃなかろうか。PB戦略がSPOFにならないように。

*1:およそ危険性がまったくない食品などこの世に存在しない。問題は作用するために必要な量だ。たとえば猛毒のHCNであっても1分子が吸気に混じっていたからといって何も問題ない。