電源断することが許されない時間

家電製品のアーキテクチャがどんどんパソコン化していく時代において、パソコンの致命的な弱点を継承している家電製品が増加しているのは当たり前のことだ。
後から性能を改善できる機器が増えている。所謂ファームウェア(以下FW)バージョンアップというやつだ。近年発売されている携帯電話、据え置き型ゲーム機器、携帯ゲーム機の一部、DVD/HDDレコーダー、ルータ/無線機器、テレビ等は既にFWバージョンアップが必須の機能となりつつある。作る側にとっては大きなメリットであるし、使う側にとっても一定のメリットは存在する。
ひとつだけ大きな問題がある。基本的にはFWのバージョンアップ中に電源が落ちてしまうと、その機器は使えなくなる可能性が高いということだ。携帯電話や携帯ゲーム機のような充電池を備えた機器であれば、この状況は完全に0にはできないが、発生確率の桁は下げられるだろう。
昔読んだ「少年アシベ」にこんな内容が合った。ゆうまとまおちゃんがテレビゲームをしている(おそらくファミコン)。どうやら最後のボスを倒している最中だ。アシベは外で遊ぼうぜといいながら、電源を引っこ抜く。
時間の経過と共にデータが蓄積される場合、事故によってデータが消失するということは、時間を消失させたのと同義である。よって、テレビゲーム開発者は、まずユーザデータが消えないことを優先度の最高に置かなければならない。
今後、家庭用のUPSが注目されるのは間違いない。または、不意の電断時、状態を保存する為に必要なだけのバッテリを機器内部に備えるようになっていくのではないかとか思ったりしたりした。