ドラクエ4において、はじめてブランカの王に出会った主人公はこういわれる。
「よくぞ来た! 勇者を目指すものよ! そなたもまた世界を救うため 旅をしているのであろう。」
これはドラクエ3の勇者についての不自然さを解消するものであったとされている。不自然さとはすなわち、「勇者に対する王の支援が少なすぎる」ことや、「行く先々で勇者とよばれる(または勇者の存在が世界中に知れ渡っている)」*1ということだ。
ドラクエ5において、クリア後のお楽しみダンジョンが追加されたのは、ドラクエ4ユーザの間で広まった風説、即ち「第6章が存在する。」*2であったとのことだ。*3
ドラクエ6において、ダークドレアムを数ターン以内に倒せば、変わりにラスボスを倒してくれるというおまけもドラクエ5ユーザの間で広まった風説「エスタークを?ターン以内で倒すと仲間になる。」*4が元であった。
ドラクエはユーザの風説に敏感だ。なぜなら風説にはユーザの願望がもっとも如実に現れるからだ。
ユーザインターフェースの進化も興味深い。
一見まったく進化していないように見えるインターフェースだが、ドラクエ最新作をやった後に前作をやってみると細かいところで思い通りにならず、いらいらする事この上ない。たとえばドラクエ5(SFC)をやった後、ドラクエ4(FC)をやると、ルーラで著しい違和感を感じる。*5同様にドラクエ7をやった後に、ドラクエ6をやると、袋の使い勝手に歴然とした差異があることに気づく。*6
システム屋は一度ドラクエを8から1つづつさかのぼってクリアしてみるといい。ユーザビリティ進化を逆にたどることによって感じるところがたくさんあるはずだ。
そしてユーザの声に耳を傾けて、次作に反映させることの重要さが身にしみてわかるだろう。
とかおもった。