同一集合内の要素は、似ている場合がある。
さて、集合内のある要素にきわめて目立つ特徴が露見した。
集合自体にその特徴を期待してもよいか?
答えは「わからない」である。
集合の定義に、密接に関係する特徴なら「はい」であろうし、
集合の定義に、関係ない特徴なら「いいえ」だろう。
たとえば3角形がある。
3角形の定義は(厳密に言わなければ)
「3本の直線で囲まれた形」である。
ある3角形において、
1.「内角の和が180度である」というのは
定義によって確定される性質である。
2.1辺の長さが3であったというのは定義に
全く関係が無い。
よって前者は「期待してよい」であり、
後者は「期待してはいけない」のだ。
集合の定義に関係があるかどうかわからない場合は
当然定義との関係を調査するはずだ。
その結果、関係があれば「はい」関係が無ければ「いいえ」と
答えるだろう。
要素の特徴と、集合の定義との関係を調査せずに、関連付ける
ということが、偏見の正体である。
この3角形の1辺は3なので、あの3角形の1辺も3に違いないのだ。