ノートPCの底面を冷やすやつを適当に作った

ノートPCの底面を冷やす器具って結構いろいろある。いわゆる冷却台というやつだ。
冷却台は大別すると以下の2種類ある。

  1. 底面にファンで風をあてるタイプ
  2. 底面にアルミなどの放熱性が高い金属をあてるタイプ

悪くはないんだけれど、1は大抵重い。500g以上あるので、固定した場所においておくならともかく、持ち運びしたい場合にはあまり向いていない。2は一応冷えなくはないけれど、冷却効果が低く、ないよりはましといった程度だ。

そもそもCPUクーラーだって、CPUに直接風を当てるのではなく、CPUに接触しているヒートパイプを冷やしているのだから、ノートPCの底面冷やす時だって、底面を直接冷やす必要ないんじゃない?という素人考えを思いついた。
なので、「放熱性が高い金属を底面にあて、金属を冷やす」という方針で、上記1と2のハイブリットな冷却台を作ることにした。

材料を集める

1つ目の材料はこれ。アルミすのこだ。アルミすのこはノートPCの底面に密着してくれるので、直接冷却する効果はあるけれど、それでもこれだけだと熱は滞留してしまう。
amzn.to

2つ目の材料はこれ。要はアルミすのこに滞留する熱を逃がしちゃえばいいだけなので、アルミすのこの、ノートPC接触面に向けて風を送ってあげればいい。
amzn.to

3つ目の材料はこれ。アルミすのこに風を送るために、すのこの底面にファンをつけるけれど、ファンがノートPCの重さを支える構造になってしまう。これではファンがこわれてしまうので、ファンと同じかすこし厚いくらいのゴムをすのこの底面に取り付けちゃえば、ファンに重みがかからなくなる。
amzn.to

4つ目の材料はこれ。アルミすのことファンを接着する際に、加工するのがめんどくさかったので、両面テープでいいだろうということでこれを使用した。
amzn.to

漠然とした設計

こういうのを作ろうと思った。

アルミすのこの裏面
実際に作ってみる

実際に作ってみると、当たり前のようだけれど、段差ができてしまって、底面がうまく冷えなくなってしまった。

横から見た図、ノートPCとすのこの間に隙間ができている
改良してみる

そもそも、ノートPCは手前側が熱くならない設計になっていることが多いので、奥側だけ冷やせればよい。ということは奥側だけ接地すればよいのだ。いろいろ試した結果、アルミすのこを2つ折りにすることで奥側が接地し、冷却が安定するようになった。なお、ノートPC自体は全く安定しないようにみえるけれど、タッチバッドを使用しない限り特に問題なく使用できている*1

アルミすのこ2つ折り

13.3型以下のPCであれば、理想の底面冷却を目指せるかもしれないので、興味ある人は試してみるといいかもしれない。

*1:図には記載していないが、PC底面のゴムにすのこが引っ掛かり、安定している

n日問題を更新した

こちらのTweet

n日問題の新種が掘り起こされた
ioactive.com

ので追記した。
marujx.hatenablog.com

また、776日問題を発見したのでさらに追記した。

メーカー系資格試験を勉強できない人へ

あいかわらずMicrosoftとかAWSとかの資格取得に励んでいる。20年前は日本語の資格試験対策対策本本は豊富にあった気がするけれど、だんだん日本語対応のが少なくなってきている気がする。というよりも、「売れ筋」の資格試験だけ出るようになっている。

具体的にはMicrosoftのFoundation資格(900系資格)なら、AZ-900、SC-900だけしか出ないし、人気のAWS資格であっても専門知識はNW、DB、SECしか出ない。

では英語のできない我々はどうやって勉強すればよいのだろうか。

1.学習資料

最近はMicrosoftであってもAWSであっても、資格領域に対応した学習コンテンツをちゃんと用意してくれている。たとえば900系の資格で参考書がない「DP-900」ならDP-900試験サイトにちゃんと学習コンテンツが用意されている。

2.資格対策講座

資格名+試験対策で検索すると、無償の対策講座が見つかることがある。例えばDP-900の対策講座ならこんなものが見つかる。
またmstepというトレーニングに資格対策講座が実施されることがあるので、そちらもチェックしておくといいだろう。
mstep クラスルーム

3.問題集

問題集はudemyで見つかることがある。日本語があればいいけれど、英語の問題集であってもDeepLで翻訳してしまえばよい。DeepLの翻訳は問題集に最適だ。

結論

日本語資料がなければ自動翻訳してしまえばよいという発想にはなかなかたどり着かないようなので、参考いただけると幸いです。

RAID縮退からの復旧

ハードウェアの冗長性っていう概念があって、この概念は「ハードウェアを構成する部品が一部壊れたとしても、動作しつづける」というものだ。

一般的にシステムは冗長性のあるハードを使用するものだ。しかし、冗長性を求めれば初期投資が増加するため、大体の場合、投資金額とシステム停止時間のバランスをとって、このハードは冗長に、この部分は復旧に時間かかってもいいから冗長性は不要といったように選別が行われるものだ。この冗長性において、最も見落としがちであるのが「縮退から冗長への復旧」である。

縮退っていうのは冗長性のあるハードから冗長性が失われることを意味する。例えばサーバのHDDだ。サーバにおいてHDDの冗長性なしなんて構成はおよそ考えづらく、RAID1*1やRAID5*2、RAID6*3あたりが使用される。RAID1でHDDが1台壊れると、「もうそれ以上HDD壊れることができない状態」になる。この「もうxxが壊れられない状態」を縮退と呼ぶ。

問題はRAIDの縮退から冗長に戻す際の「パフォーマンスの劣化」と「時間」だ。RAID1であれば「のこったHDDの中身を交換したHDDに書き戻す」だけなので、パフォーマンスの劣化はそれほどないが、HDDへの書き戻しは非常に時間がかかる。そしてこの時間はHDDの破損に無防備な状態だ。RAID5、RAID6の場合は結構大変で、冗長データを計算してHDDに書き込むため「パフォーマンスの劣化」と「時間」両方に悩まされる。特に最悪なのが「OS機能としてのRAID5」で、「パフォーマンスの劣化」冗長への復旧中はまともな速度でデータを書き込めなくなってしまうし、その時間が長く継続する。

あまり知られていないけれど、システムのパフォーマンステストは「縮退から冗長への復旧中」に行うべきなのだ。またOSの機能としてのRAID5は全くお勧めしない。特にWindowsの機能としてのRAID5なんかは最悪だ。

結局何が言いたいのかというと「安価なWindows NASはOS機能のRAID使っているからRAID1ならともかくRAID5にするとHDD交換後パフォーマンス超劣化するから、常設カメラ動画の保存先にすると後悔しまっせ」ということです。

*1:HDD2台をミラーする。1台のHDD破損に対応。

*2:複数台のHDDの内、1台分の容量が冗長性のために使用される。1台のHDD破損に対応。

*3:複数台のHDDの内、2台分の容量が冗長性のために使用される。2台のHDD破損に対応

古いNASの管理画面に入れなくなった理由

自宅のNASファームウェアをしばらくアップデートしていないことに気づいたので、所有している2台のNASをアップデートしようとしたところ、面白いトラブルに遭遇した。

古い方のNASはNETGEAR製で、いままでまったくノントラブルだったので、特に注意していなかったのだけれども、なんと購入から10年も経っていた。いやさすがに10年経過したからにはそろそろリプレースが必要だろうと思いつつ、障害が発生していないかログ確認しようとしたところ、管理画面にログインできない。管理画面はブラウザからログインするのだけれど、「このサイトは安全に接続できません」というエラーが発生してしまうのだ。

エラーメッセージを見た時点で、原因にはすぐに思い当たった。これは、古いSSL/TLSに最新のブラウザが対応していないから発生したのだと。自宅のPCは現在Windows11となっており、ブラウザはEdgeであるため、そもそもSSL3.0、TLS1.0/1.1に対応していない*1

ということでなんとかする方法はないものか、調査を始めた。

1.IEで動かす

Windows10であれば、IEを無理やり動かすことが可能だけれども、Windows11には「IEのエンジン」は搭載されているものの、IEGUIが搭載されておらず、IEを動作させるのは無理なようだ。その代わりにEdgeはIEモードを実装しているはずだけれど、なぜかWindows11のEdgeにはIEモードが表示されない。どうしたものか。

2.Windowsの設定で逃げられないか

そもそもの話、IEであろうが、SSL3.0/TLS1.0/TLS1.1は無効になっているはずだ。Windowsがいつまでたっても廃止できない機能としておなじみの「コントロールパネル」から、「インターネットオプション」を開いて、SSL3.0/TLS1.0/TLS1.1を有効にしてみた。しかし、当然のことながらEdgeはこんな設定参照していないようで、やっぱりエラーとなってしまう。

3.なんでIEモードないの?

上記2はIEであれば参照されるはずなので、IEモードさえ使えてしまえば問題が解決する可能性が高い。調べてみると、最近のEdgeは、IEモードを非表示にしているようだ。余計な事しやがって。
[Microsoft Edge] Internet Explorer モード を有効/無効にする - VAIO サポート FAQ / よくあるご質問
IEモードを表示させ、NASの管理サイトをIEモードのリストに登録したところ、警告画面は出るものの無事管理画面に入ることができた。

4.NASのファームをTLS1.2対応にできない?

やっとNASの管理画面に入れたので、ファームウェアを確認すると最新状態であった。つまりこのNASはクライアントPCのSSLのレベルを落として、Edge経由でIEモードで閲覧しない限り管理操作できないことが決定したのであった。

結論

結論としてはNAS10年も使うなよっちゅう話に尽きるわけだけれど、結構困っている人いるんじゃないだろうか。HTTPS経由で管理画面操作する10年前の機器なんて、結構いっぱい存在しそうな気がするので。WEBサーバはApacheとかを更新すれば対応できるだろうけど、組み込み機器はメーカーが対応してくれない限り、WEBサーバ機能は更新できないので*2

まあ、一時しのぎの手順は何とか確立したので、恒久対応としてさっさとNAS買い替えようと思います。

*1:ChromeでもEdgeでも完全に使用できなくなったTLS 1.0/1.1サイトは完全にブロック ~「Google Chrome 98」安定版がリリース - 窓の杜

*2:なんとか脱獄すれば更新可能かもしれないけれど

Excel関数を使用する際の原則

この世で一番便利なソフトは満場一致でExcelであろう。異論は認める。

多分便利さの源泉は「関数」「マクロ」「機能」の3種類に大別される。んでもって、関数を使用する際には原則がある*1。この原則を知らずにExcelを使用すると、まあろくでもない結果を招くので覚えておくといいだろう。なぜか巷のExcel講師は教えてくれない。

1.表の下に表を作らない

Excel関数を実施する際、表を参照することは多い。vlookupやxlookupなんかが典型的な例だ。問題はこの参照される表が「何行まで拡大されるか」である。たとえば8月というデータなら夏と表示させる、4月というデータなら春と表示されるような計算式を考えると、月数は12しかなく、それ以上増えることがないので「12行+見出し1行」の表を作ってvlookupで参照すれば、解決しそうな気がする。

このように、どうやっても増えないような情報を参照させる場合の表を縦に並べるのはそれほど悪くない考えに見える。しかし、「3月下旬は春かもしれないけど、3月上旬は冬なんじゃね」とか、「9月上旬はどう考えても夏だろ」とかいう、「お偉いさんのどうでもいいが無視できない意見」があり、それに対応しなければならない時、月+旬*2の情報で季節を管理する必要がでてくる。すると「12行×3+見出し1行」で37行のデータになる。

こうなると「月と季節情報を掲載していた表」の下に配置していた表の位置が大幅にずれてしまう。表の位置がずれてしまうと、その表を参照している計算式を見直す必要が出てきてしまうのだ。
なので「表の下に表を作らない」というのは結構重要な原則だったりする。Excelトレーナーは教えてくれないけど。

2.検算せよ

Excelに詳しい人がバカにする習慣に、電卓で検算するという習慣がある。個人的にこれは正しい習慣だと思う。
どんなSWにもバグがある。Excelにもバグがあるが、現在の枯れまくったExcelでは「Excel関数のバグ」なんて、一生に一回遭遇するかしないかだろう。問題は「誰かの作った計算式にバグがある可能性が極めて高い」ことだ。プログラマにはテストの習慣があるが、Excelの計算式作成者にテストの習慣はないので、バグの検出は難しいし、環境の変化によって後からバグになってしまう場合、例えば「データ範囲が計算式内の指定範囲を超えてしまう(以下最終行バグ)」こともある。よくあるパターンは「計算式が想定した表の最終行よりも下の行に情報がある」パターンだ。ちなみに最終行バグについては、最終行を指定しなければよいので、「上記1の対応」+「範囲選択を列のみ指定にする」ことで発生させないことも可能だったりする*3

なので、検算は正しい習慣だ。もっとも、検算を電卓で実施する必要はない。Excelに検算をやらせればいいのだ。集計値の合計と生データの合計が正しいかチェックする。別の関数を用いてチェックするなど、チェックの方法はいろいろある。なので検算の必要性を説かないExcel講師は似非だと思っている。

というわけで、Excel関数を使用する際の原則でした。

*1:独自研究

*2:上旬、中旬、下旬

*3:もちろんすべてのケースに当てはまるわけではない